皆様こんにちは。前回のつづきです。前回は、
不安定の程度(U)=必要な情報量(N)?情報処理能力(P)
という式をご紹介しました。
この式の意味するところは、企業活動を効率的に運営するためには、不安定の程度は出来るだけ小さくしておかなければならず、無意識のうちに(U)を小さくするように組織運営がなされるというのです。(U)を小さくする手段は、(N)を小さくするか、(P)を大きくするかの二種類しかありません。(N)を小さくする手段としては、少ない情報量でも欠品をおこさないように在庫の積み増しを行うなどは分かり易い例ですし、(P)を大きくする手段としては、在庫ゼロを目指したトヨタ生産方式などが有名です。
変化の激しい時代に、どちらがより効率的な運営手段であるかは明らかですが、販売の機会損失を恐れるあまり、在庫の積み増しを行ってしまう場合も多く見受けられます。しかしながら在庫の積み増しは、企業活動のスピードをダウンさせる方向に力が働いてしまうという事実が知られており、不安定の程度(U)が小さくできたとしても、利益という観点からは、大きなマイナス要因となってしまいます。
このように、必要な情報を的確に処理して活用していく能力が組織には求められ、創業まもない小企業においては、社長自身がこの役目を果たさなければなりません。
情報処理能力というと、高価な情報システムの導入をイメージするかも知れませんが、パソコンとExcelだけでも十分です。情報を有効な形に変形し、ものの見方を変えるだけでも本質的な問題が浮き彫りとなり、意思決定を正しい方向に導くことができます。
次回はこの例をご紹介します。